「投資を始めたいけれど、NISAって結局何なの?」
投資について調べると、必ずといっていいほど目にするのが「NISA」という言葉です。
NISAを使って投資を始める人も多いため、
「NISAという金融商品がある」
と思っている人もいるかもしれません。
しかし、NISAそのものが投資商品なのではありません。
NISAとは、投資によって得られた利益を一定の条件のもとで非課税にできる制度です。
この記事では、
- NISAとは何なのか
- なぜ利益が非課税になるのか
- つみたて投資枠と成長投資枠の違い
- いくらまで投資できるのか
- NISAを利用するときの注意点
を、投資初心者向けに解説します。
そもそもNISAとは?
NISAは「少額投資非課税制度」と呼ばれる制度です。
通常、株式や投資信託などへの投資によって利益が発生すると、その利益に対して税金がかかります。
例えば、100万円で購入した金融商品を120万円で売却したとします。
この場合、
120万円 − 100万円 = 20万円
の利益が発生しています。
通常の課税口座では、この利益などに税金がかかります。
一方、NISA口座で購入した対象商品から得た利益については、一定の条件のもとで非課税になります。
つまりNISAは、
投資そのものではなく、投資による利益に対する税制上の優遇制度
と考えると分かりやすいでしょう。
NISAを使えば必ず儲かるわけではない
ここは非常に重要です。
NISAを使ったからといって、投資で利益が出ることが保証されるわけではありません。
NISAは税金を優遇する制度です。
投資した金融商品の価格が下落すれば、NISA口座であっても損失が発生します。
例えば100万円を投資して、その金融商品の価値が80万円になれば、20万円の含み損です。
NISAだから元本が保証されるわけでも、金融商品の価格が下がらなくなるわけでもありません。
したがって、
NISA=安全な投資
ではなく、
NISA=投資に利用できる非課税制度
と理解しておきましょう。
NISAには2つの投資枠がある
現在のNISAには、
「つみたて投資枠」
と
「成長投資枠」
の2種類があります。
この2つは併用できます。
つみたて投資枠
つみたて投資枠では、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託などが対象となっています。
年間投資枠は、
120万円
です。
すべての投資信託を購入できるわけではなく、一定の要件を満たした商品が対象です。
そのため、
「長期的に少しずつ積み立てて資産形成をしていきたい」
という場合に利用を検討しやすい投資枠です。
成長投資枠
成長投資枠では、上場株式や投資信託など、つみたて投資枠より幅広い商品が対象になります。
年間投資枠は、
240万円
です。
例えば個別企業の株式に投資したい場合などにも利用できます。
ただし、上場している株式や販売されている投資信託なら何でも対象になるわけではありません。
NISAの対象外となる商品もあります。
年間最大360万円まで投資できる
つみたて投資枠と成長投資枠は併用できます。
そのため、
つみたて投資枠:年間120万円
+
成長投資枠:年間240万円
=
年間最大360万円
までNISAを利用して新規投資できます。
ただし、
年間360万円を投資しなければならないわけではありません。
これはあくまで制度上の上限です。
例えば毎月1万円から積立投資をするなど、自分の資金状況に応じて利用できます。
投資可能額いっぱいまで無理に使う必要はありません。
非課税で保有できる総額は1,800万円
NISAには年間投資枠とは別に、
非課税保有限度額
があります。
つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて、
1,800万円
が上限です。
ただし、そのうち成長投資枠で利用できるのは最大1,200万円です。
少し分かりにくいので整理すると、
NISA全体 → 最大1,800万円
そのうち成長投資枠 → 最大1,200万円
となります。
なお、つみたて投資枠だけで1,800万円の非課税保有限度額を利用することも可能です。
「1,800万円」は利益を含めた金額ではない
ここも初心者が混乱しやすいポイントです。
非課税保有限度額の1,800万円は、基本的に**購入したときの金額(取得金額)**を基準に管理されます。
例えばNISAで100万円分の商品を購入し、その後値上がりして150万円になったとします。
この場合、非課税保有限度額として使用しているのは150万円ではなく、
購入したときの100万円
です。
つまり、運用によって資産価値が1,800万円を超えたからといって、それだけでNISAから外れるわけではありません。
非課税保有期間は無期限
現在のNISAでは、
非課税保有期間は無期限
です。
以前のNISA制度には非課税で保有できる期間に制限がありました。
しかし、2024年からのNISAでは非課税保有期間が無期限になりました。
そのため、制度上は非課税期間の終了を理由に売却する必要がありません。
長期的な資産形成を考えやすい仕組みになっています。
売却したら非課税保有限度額を再利用できる
現在のNISAでは、保有している商品を売却すると、その商品の取得金額分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。
例えば、
100万円で購入した商品を150万円で売却したとします。
この場合、翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は、
150万円ではなく100万円
です。
購入したときの金額を基準にするためです。
ただし、売却したからといって、その年の年間投資枠がその場で復活するわけではありません。
再利用できるのは翌年以降です。
NISAはどこで利用する?
NISAを利用するには、銀行や証券会社などの金融機関でNISA口座を開設します。
ただし、つみたて投資枠をA証券、成長投資枠をB証券というように、同じ年に2つの金融機関へ分けて利用することはできません。
つみたて投資枠と成長投資枠は、同じ金融機関のNISA口座で利用します。
金融機関を年単位で変更することは可能です。
そのため、
「NISAを始める=どの金融機関でNISA口座を開設するか決める」
ということでもあります。
NISAで何を買えばいい?
ここまでNISAの仕組みを理解すると、
「じゃあNISAで何を買えばいいの?」
という疑問が出てくるでしょう。
しかし、
NISAだからこの商品を買えば正解
というものはありません。
NISAはあくまで制度です。
その中で何に投資するかは別に考える必要があります。
株式なのか。
投資信託なのか。
国内に投資するのか。
世界に分散するのか。
どの程度のリスクを取るのか。
これらは投資目的や期間、リスク許容度などによって変わります。
「NISAを始めること」と「投資商品を選ぶこと」は分けて考えましょう。
NISAのメリット
NISAの大きなメリットは、
対象となる投資から得られた利益を非課税にできること
です。
また、
- 非課税保有期間が無期限
- つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる
- 売却後に非課税保有限度額を再利用できる
といった特徴があります。
長期的な資産形成を考えるうえで利用を検討できる制度です。
NISAの注意点
メリットだけではなく、注意点も理解しておきましょう。
元本保証ではない
NISAを利用しても、投資商品の価格が下落すれば損失が発生します。
すべての商品を購入できるわけではない
NISAには対象商品の条件があります。
特につみたて投資枠では、長期・積立・分散投資に適した一定の商品に限定されています。
投資枠を使い切る必要はない
年間最大360万円まで投資できますが、上限まで投資する必要はありません。
生活費や緊急時のお金を削ってまでNISAを利用するものではありません。
自分の余裕資金の範囲で考えることが重要です。
NISAでも投資先を考える必要がある
「NISAだから安心」という理由だけで商品を選ばないようにしましょう。
どのような商品なのか、どの程度のリスクがあるのかを理解したうえで投資する必要があります。
初心者はNISAをどう考えればいい?
投資初心者の場合、まずNISAを、
「投資で得られた利益を非課税にできる制度」
と理解すれば十分です。
最初から年間投資枠や非課税保有限度額をすべて使う必要はありません。
まず、
1.投資する目的を決める
2.生活に必要なお金を確保する
3.余裕資金を考える
4.NISAの仕組みを理解する
5.自分が投資する商品を考える
という順番で進めると整理しやすくなります。
まとめ
NISAは投資商品ではありません。
投資から得られた利益を一定の条件のもとで非課税にできる制度です。
現在のNISAには、
つみたて投資枠:年間120万円
成長投資枠:年間240万円
があり、併用すると年間最大360万円まで投資できます。
非課税保有限度額は合計1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。
また、非課税保有期間は無期限です。
ただし、NISAを利用すれば必ず利益が出るわけではありません。
NISAという「制度」と、その中で購入する「金融商品」は分けて考えることが重要です。
では、NISA口座を開設するとしたら、どの金融機関を選べばいいのでしょうか。
次の記事では、
について解説します。


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